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RGBビデオ信号(NTSC) 変換確認用補助チャート Ver 1.0(暫定番)



〇はじめに

このチャートは、
コンピュータでビデオのソース画像を作る作業上ぜひとも把握しておきたい、
「RGB データからビデオ信号への変換方式」
を確認するための補助チャートです。

注意 このチャートの使用には、波形モニタおよびベクトルモニタが必須です。


コンピューターで作成した画像データをテレビに表示すると、使用する機材によっては、
明るかったり・暗かったり・妙に硬調だったり・はたまた色が変わって見えたりと、
時には、はなはだしく原画と画質に差があることがあります。

実はふつう、この現象は
「RGB画像データ から ビデオ信号 を生成する際の 変換ポリシー」
の違いから来ています。

(中には明らかに信号処理の仕方を間違えているために「まぬけ!」と言いたくなるような
画質低下をきたしているハードやソフトもありますが、)

コンピューターの「RGB画像」と 「テレビの画像」は、原理的には
同じ「色彩モデル」に基づいて*1)できていますが、
具体的な規格はまるで別物です。

相互変換のための規格*2)などがあればよいのですが、実は「ありません」
そこで、各デバイスの作成者はそれぞれの思惑の元に「こうすりゃあ良いだろう」と
思われる方法で変換の機能を実装します。画も違うはずですね・・・

プロ用の高価な変換機材を使用していると、いくつかの変換方法を選択できる場合もあります。


このチャートは、それらの変換方式の中から代表的だと思われる変換方法のいくつかを選んで、
特定の信号波形が得られるように仕込んである画像です。
このチャートを対象機材でビデオに変換してその映像信号を観測することで対象機材の
映像信号作成ポリシーをさぐることができます。

大当たりの場合は、
[私]が「代表的である」と考えたいくつかの変換方式のうちの一つであることが分かります。
また、大当たりで無い場合でもその変換方式を類推する手助けになります。

機材や、ソフトの説明書などに映像信号の生成方式が明示してある場合は、基本的に
このチャートは不要ですが、その場合でも実際に記載通りの変換が行われているかどうかを
確認することができます。


〇必要な機材

RGB画像データからビデオ信号への変換を行うデバイス(測定対象機材*3)
ベクトルモニタ(必須*4)
波形モニタ(必須*4)
画像モニタ[ピクチャーモニタ/NTSC](必須)
ほか、測定に必要な機材[デッキ・ケーブル・終端抵抗など現場に合わせて)]

〇使い方

補助チャートは、各 15 枚 で 現在 4 種類のセットがあります。これらのセットのカラーチップは、
想定される変換方式にしたがって計算されています。各セットの内容は同じです。

別紙説明書にしたがってどれか一つのセットを選択して対象機材でビデオ信号または
それに準拠するフォーマット(*5)に変換します。

その映像信号を波形/ベクトルモニタで観測して、想定された波形と比較を行います。
(チャート・波形対比表は別ファイルで用意してあります。)

大当たりの場合 すべてのチャートで対比表の波形と波形/ベクトルモニタの波形がぴったり一致します。

そうでない場合は、波形のゆがみ具合にしたがって変換方式を類推することができます。


〇おことわり

類推には、ビデオ信号と画像処理にたいするある程度の知識が必要ですが・・・これをお持ちでない方は、
そもそもこんな補助チャートを使おうとはしないと想いますので、この件に関しては、割愛!

NTSC 等のビデオ信号に関する解説もしてません。
この文書は、(今回は特に)チュートリアルや技術解説ではありません。
意味が分からない人は使わないように。・・わかんなかったら使いようがないか・・・

計算式はSMPTE 170M に基づいています NTSC/1953(古い方) は、今回考慮してません。

では、ごゆるりと・・・
チャート/波形 対比一覧表

2002.11.25

*1)
もともとカラーテレビが、先にあってこれをディスプレイとして流用する辺りからパソコンディスプレイが
始まったので当然でしょうか。

*2)
テレビの世界には、はっきりとした規格(..=規制)が沢山あります。
バラバラのメーカーの機材を使って 多数の 放送局/プロダクション などが互いにソースをやり取りしあうのだから
当然ですね。しかし、コンピューターの側には規制が無いのです・・・無いといえば語弊がありますかね・・
使えそうな規格はいくつもありますが(沢山あるのも問題ですがね・・)実質上の強制力が割とありません。
各メーカー・OS・アプリケーションでそれぞれ別々のやりかたで画像を扱っているみたい・・・・頑張れ sRGB ?

*3)
測定すべきデバイスがないと話になりませんね。
今回の場合「デバイス」とは RGB画像データから「NTSC」または「それに準拠した信号」への変換機能を持つものは
すべて含まれます。

例を挙げると

「画像インポート可能なHD/DISKビデオレコーダ[DPS-Reality/TARGA200/ACOM 等]」(うちの業界ではこれが一番ありそう)
「画像インポート可能なノンリニア編集ソフト」(接続したハードに実装されたコーデックに依存する場合が多い)
「NTSCビデオ出力可能なビデオアダプタ」(ゲーム用のおまけ機能っぽいやつも多い)
「NTSCフレームバッファ」(もうだれも使ってないかも)
「AV機能付コンピュータ」

などでしょうか・・

*4)
結構厳密な測定なので、この二つの機材は必須です。高価なので個人でそろえるわけにはいきません。
中古でもかなりのお値段・・すんません次のバージョンでは、ブラウン管目視観測の方法を考えたいと思っています
・・・無理かなぁ
ソフトウェア解析で、波形表示をしてくれるユーティリティがありますね。これなら個人でも買えそう。

*5)
この場合は純粋にソフトウェア的なコンバータなども含みます。例えば
RGBシーケンスからDVストリームを作成するQuikcTime(PRO版)は、完全に変換デバイスとして機能しています。


Nekomataya/kiyo 2002
2002.12.26 RGBビデオ信号変換確認用補助チャート ねこまたや