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Nekomataya/2010

企画書を書こう - [[アニメを作ろう!]]


目次

アニメを作ろう!

企画書を書こう

	企画書って何するの?

	どんな映画を作るか(決めて)文書にすることです。

あなたが映画をつくりたいとします。

たとえば 「純愛ロマン」「SF宇宙活劇」「学園推理」「R18」でもなんでもおっけーです。

その映画について、簡潔にまとめた書類を「企画書」と銘打って書くのです。

ただし

「ノンジャンルで」
とか
「あらかじめ決め込んじゃうのは性に合わない」

とかいう意見のヒトは…あなたの映画は、たぶん完成しませんので映画の制作は考え直した方が良いでしょう。

表現する事がはっきり文書にもできないようでは、なにかフィルムができても見てる人にはなにも伝わりません。

それはただの「無駄」

また後者の内「作りながら考えれば良いじゃん」とか思っている人、あなたの映画も完成しないと思います。

映画の作成に費やす「お金」「気力」「時間」はとても膨大です。

特にアニメーションは、一コマづつ絵を作る作業です。「やり直し」は「ものすごくツライ」ので 途中で目的の変更など予定していたら、とてもじゃないけど出来上がらない可能性が高いです。

「いま、なにも表現したい物が無い場合は、映画を作る必要はありません。」

反省してじっくり考え直すこと。

映画は総合芸術です。一般的には多数のスタッフがコラボレーションして制作を行います。 多数の人間の意志統一を行う為には何が一番よいか

	「目的を明文化する」事です。

(…というより「ないと無理」です。だれもついてゆけない。)

映画の目的を「言葉」や「絵」にして(可能なかぎり)すべてのスタッフが読めるようにします。 これはすごく大切。

映画の企画は、かならず「文書」にしましょう。

	それが、「ザ・企画書」(某100円ショップ風に)

完全な個人制作の方(一人で絵を描いて、色塗って、コンポジットして、録音して…全部やる人)は、他のスタッフに見せる為の企画書は不要です。 が、じつは個人制作の方こそ最初の時点で企画書は書いた方がよいのです。

自分の考えを1通の書類にまとめる事で「つくりたいもの」が明確になります。 個人制作の場合は特にゴールを決めておかないと途中で迷いやすいものです。 実際に紙に書き出す事で考えがまとまる事も良くあります。気楽に、でもまじめに書いてね。

企画書ってなにを書くの?

製作途中で、このあと「シナリオ」や「デザイン」「絵コンテ」などだんだんと映画に近い物へと「書くもの」が変わってゆきます。 「企画書」はその手始めで、映画(企画)全体を想定する書類です。

企画書の内容は、ざっと以下の要件を満たす必要があります。

最初はあまり固く考えなくてもOK。 一度決めたことを簡単にコロコロ変えるのは良くないですが、「変えちゃいけない」わけじゃないです。

やりたいこと(お客に見せたい映画)があってそれをなす為に予定していた道が通れないなら、通れる道を探せばよいのです。

まあ、あまり無茶な目標を立てると道が遠くてつらいので、自分が「できる」範囲で目標を立てればよいでしょう。

このサイトは技術サイトなので、主に技術について述べます。

(だからここでは「映画の内容」に関してはあまり言うべきことはないのです。それはつくる人のココロの問題なのです。)

では、各項目の説明

形式

どうやってお客に映画を見せるかの選択です。文書にした時は数行で読んでもあまりピンとこないかも知れませんが 技術的・制作的には「ちょー重要!」

例:「ぽこあぽこ・られんたんど」の場合

 コンピュータ制作によるセルアニメーション	(制作形式)

 ビデオ・レターボックス 9:16 (+字幕) 480/24p	(上映メディア)

 制作サイズ 720/24p RGB	(制作メディア)
 7分	(制作時間)
 パイロット作品	(補足事項)

制作形式

いちばん上は、「制作形式」です。

コンピュータ取り込みで彩色したセル画を主に使用して作成されるアニメーションである事を示しています。

その映画を主に「どうやってつくるか」を書きます。

良く見られる他の形式としては以下のようなものがあります。

制作媒体として

ビデオ制作とフィルム制作はもうだんだん見かけなくなってきました…
おじさんちょっと寂しい
制作技法として

技法はイロイロとあります。ここに書いていないものでも、連続した静止画を再構成して動画にすることができればなんでもアニメーションの技法として成立しますので、 実験的な技法を試したい方はその技法の実験自体が映画のテーマになったりもします。

このサイトでは、いちおうコンピュータ制作によるセルアニメーションの技術情報を中心にお送りしてゆく予定。

上映メディア

その次は「上映メディア」です。

上映メディアと制作メディアは、分けて考えます。

まず上映メディアには、たとえば以下のような物があります。

	WEB上映(youtube・ニコニコ などの動画共有サイト。自サイト配布のとかもアリですね)
	ビデオ(VHS・DVD・VideoCD)
	テレビ放映
	フィルム(上映会を開催する・劇場にかける)

どれを選んでも、他のメディアにある程度転用可能です。 が、メインのメディアをどれか一つ決めてそれに対して映画をつくるのがいちばんよろしいでしょう。

これは制作費を決定する要因なのでお財布やスタッフ、映画の内容と相談して決めます。 欲張って、「アレもこれも」とか言ってるとドンドンスペックが上がって結局出来上がりません。

一般的に先にあげたもののほうが制作コストが安くてあとにゆくほど(金銭的にも技術、労力的にも)値段が上がってゆきます。 あとの(高価な)方でつくると他に転用しやすいですが、先の(安価な)方でつくると情報量が足りなくなってほかに転用するとボケボケになったりします。

内容やお客によって上映メディアは変わります。(または「メディアによってお客が変わる」…)

制作メディア

上映(ターゲット)メディアに合わせて制作メディアを決めます。

制作メディアは、原版メディアとメディアスペックを選ぶことになります。

原版メディアの例

どの「物理媒体」を原版にするかを決定します。

昔だと 制作媒体がフィルムばっかりだったので 8mm 16mm 35mm 65mm … とフィルムを選択する場面なのですが、

最近では、主に コンピュータ > ビデオ・フィルム系(収録) の選択になります。

アマチュア制作の場合は、一般にはデータ原版が最もコストが低くなりますので、ビデオ原版やフィルム原版はあまり考えなくてもよいと思います。 必要な時にデータコンバートでビデオやフィルムに変換すればよいでしょう。

プロのお仕事だと完成後のハンドリングを考えて、ビデオ・フィルム系の映像メディアを原版に選ぶ事が多いです。

次にコンピュータ上の記録データスペックを決めます。

決めることは

の4点です。(サイレントにしたいヒトは音声は無視してもよいですが)

上映目的に丁度のサイズでつくりましょう。

小さすぎると画質が低くて格好悪いです。大きすぎるとコストが高くて悲しいです。

画面の縦横比は、上映メディアで自動的に決定されることが多いです。

などがあります。 WEB上映用では変則サイズも可能ですが(縦長とか)、「特に変形サイズが必要な理由」がないかぎり、一般的な縦横比を採用した方がよいです。 見慣れたサイズは、お客さんが違和感をもたないで済みます。

毎秒のコマ数は、やはり上映メディアに合わせるのが最もよい方法です。

以下のような選択肢が一般的です。

 以下の特徴がある

 以下の特徴がある。

 以下の特徴がある

 特徴は30pに準拠

ここには書きませんでしたが ビデオ互換のデータスペックとして、PAL互換を選択する方法もあります。
25p / 50i
時と場合によっては、これらがふさわしい場合もありますのでお忘れなく。
これらの物は、違っているだけで 良い・悪いではありませんからね
これが編集時には、すべてのカット(編集素材)で「そろって」いないと当然ですが「つなげません」

何らかの理由で決めた以外のメディアを使用する場合は、どこかで編集用のメディアにコンバートする作業が発生します。

ビデオ・フィルム系の場合は収録機材に合わせたスペックが「規格」として存在するのでだいたいそれに合わせることになります。

データ原版でも「とりまわし(ハンドリング)」や「ソフト調達」の負担が減るので代表的なスペックの中から使いやすい物を選ぶとよいでしょう。

代表的な記録データスペックの例

	画像 4:3 320x240 15p	(VCD・web上映向き)
	画像 4:3 640x480 30p	(SD TVビデオ向き)
	画像 4:3 720x480 60i	(DV/DVD規格準拠)
	画像 4:3 720x486 60i	(D1規格準拠)
	画像 4:3 720x540 24p	(D1正方ピクセル)
	画像 16:9 1920x1080 24p	(HD正方ピクセル)

作画寸法、仕上げ方法などにかかわるのでこれを決めるのは技術的に大変重要です。

制作途中で変わったりすると帳尻合わせがえらく大変なので最初によーく考えて、いちばん映画にふさわしいメディア/スペックを決めましょう。

================================注意!!

この記事を読んでいるヒトは主にアニメーションの制作を考えているヒトだと思いますが、

上記の「メディアサイズ」は、原版・編集のメディアサイズであって、彩色するセルのサイズではありません。

彩色するセルはコンポジット(撮影)工程で最終メディアにコンバートする作業が「必ず」発生するので

編集メディアに対して適正な大きさであれば、サイズは実は自由です。

サイズを揃えても良いし揃えなくても良いわけです。

このデータサイズのお話は後で作画の前にもう一度

ターゲット

言わずと知れた「対象とするお客さん」です。例としては以下のような物があります。

映画はお客さんあっての物です。だれも見てくれないと映画は存在価値を失います。

視聴ターゲットを明確に決めることによって、自分が表現すべきモノがより明確になりますので、これは決めるようにしましょう。

自主制作ならば企画書には特に書かなくてもよいのですが、ターゲットを決めないでモノをつくるのはやめた方が得策です。

職業で映画を作る方は、必ず企画書には、明確なターゲットを書きましょう。お客を意識できない方は映画の企画には向いていません。

視聴者対象「オレ様」は、あってもよいですが… しょせんなにかを表現しようとする者は、いちばん最初と最後の視聴者は「オレ様」なのかも知れません。…そこんとこはお好みでどうぞ

ちなみに、ターゲットが広ければ広いほど表現の難易度があがります。

テーマ

内容の概略

テーマ・内容 は他人が口出しすることじゃないのでここでは割愛!!

あなたの言いたいことが映画のテーマです。テーマがお客に伝わるように内容をつくってください。


第一回目「企画書を書こう」 まずはこれにて